②～逮捕の朝～

こんにちは。

少し日が空きましたが、ブログを続けていきます。

実際はもっと中途半端な日付でしたが，勾留日数のカウントがし易いと思いますので架空の日時を使います。とは言っても時刻はほぼ正確です。

3月1日（逮捕初日）

8時ころ普通にシャワーを浴び、背広に着替えて会社へ行こうと外出。

鍵を閉めエレベーターへ。

1階まで降りると4名の男性が待ち構える。

一瞬で理解「ガサ入れだ。」と。

ドアが開くと、

「シンタロウくんおはよう。愛知県警のアオタです。ガサ入れ。何の件かわかるね。」

と矢継ぎ早に喋って警察手帳を軽く見せてきた。こいつらは親近感を持たせる為に下の名前で呼んでくることがあります。そんな手には乗りません。

相手がため口ですから、

「おはよう。わかる。それで？」程度の会話です。

不思議なもので一切焦りとかは有りませんでした。

ここで警察24時の多くと違うのがピン押しがありません。

そうです。我が家の1階はオートロックのモニターホン。こいつらは玄関前まで下見に来ています。

アオキKが「とりあえず家もどろうか」と言うのでそのまま全員で家に戻る。

玄関前につくと、「捜索差押許可状」を出してきました。

TVでは丁寧に「捜索すべき場所　身体又は物」なんて項目もあり、丁寧に読み上げてますが、あんなTVのようなマジメな読み上げはありません。

ようは見せて聞かせて読ませている「体裁」が必要なのです。

なぜ必要か。

そうです。この時から写真をバンバン撮られます。警察として「適正に行った」という証明が必要なのです。

なので僕は「勝手に読んどけや」と言わんばかりに目を背けていると「紙見て」と言ってきました(笑)　「読ませてない」となるからですね。

そしてカギを刺している所も撮影です。強引にガサ入れ始めていない事を裏付けるためでしょう。

さてドアを開け部屋に入ってきました。

我が家３LDKなんですが、やっぱり朝から男5人で同じ部屋に居るのはガサとわかっても気色悪い構図です。

部屋をかき回されるのも御免なので、「欲しい物を言えば出してやる。無い物はないし、あるものは出す。告訴人が何を言っているか知らないが、一部否認になるだろう。」とも告げ、「クレジット等カード類」「通帳」「印鑑」を出せと言われたので素直に出しました。

一つ一つ丁寧にならべて指を刺しているシーンを撮影されます。

また「押収品目録交付書」にも目を通させられます。

面白いのが、私にかかった被疑事件の期間外のものは置いていく点です。

車の捜索もPCの捜索も、スマートホン等の捜索もありません。

対象期間に使っていたものだけ押収されます。

後日聞いた話ですが、これが窃盗や強盗、痴漢等性犯罪だと余罪追及も兼ねて全部持っていき、僕のような経済犯かつ余罪がないと思われる事件は預かっても手間なので置いていくそうです。車は最近乗り出した、スマホも買い替えている点が捜索されない理由でした。

「一応全部部屋見せて」と言われるので、すべて見せる。そうです。ここには何もありません（というかこの世にもう書類等はない）からすぐ終わります。

この時アオタKの若い衆（20代中ごろ）が「黄緑蛍光色のバッグ」を持っていました。

カバンに紙が貼ってあり「通常逮捕セット２（手錠腰縄ベスト）」と書かれていました。(笑)

この時点で覚悟決めます。20日前後戻れないと。

これが終わるとアオタKが「認めるのか。反省してないのか。態度悪い。証拠は全部そろっている。認めたら罪が軽くなる。」などと煽ってきます。

こんなのは食い気味でつっかかります。「俺が見てもない証拠とやらを『ある』なんて信用できない。徹底的にやってくれたら真実はわかるだろ。」と。

そうです。ここでシュンとしてもどうせ20日間の付き合い。無い証拠にまで同意する必要はありません。

そうこう言い合いしていると、K（刑事）同士のやり取りで近所に車を取りに行くと出ていきます。

勝手にタバコに火をつけ、黙っていると「それ吸ったら逮捕するので」と言ってきました。「恰好悪いので車でしてくれ。」と言うと「知った事じゃない。関係ない。」と言ってきます。まぁ関係ないですよね。(笑)

ただ賃貸に住んでるわけでもないので、「お前がここから晒し者の如く腰縄手錠で車まで移動させやがったら都合２３日間完全黙秘する。調書の署名にも一切応じないからそのつもりで。」と言うと、「わかった。じゃあ逃げるなよ。」との事で車で逮捕状執行となりました。言ってみるもんです。(笑)

こうと分かればお着換えの準備と用便です。

3月は寒かった。桜は咲くのかと思うくらい寒かった。シャツ4枚とスウェット4枚、靴下4枚パンツ4枚にフードの無い上着を2着持ちます。

あとは金ですね。5万くらいあれば足りるだろうと裸で現金を持ちます。財布を持たない理由は別のブログで。

私は薬物犯ではないので、極限まで便所のドアを閉めれました。見られることはありません。というかおっさんの糞姿を誰が見たいかって所でしょうね。

全て完了し、車が着いたとのことで出発です。

エレベーターに乗り、1階まで降りると、正面に日産セレナが止まっています。

もうここから全てが変わります。3列シートの奥に若い衆が座り、私は真ん中、アオキKがスライドドア側に座ります。

まだ2列目の椅子は、出入りできるように倒れたままです。

そして逮捕状を読み上げられ写真も撮られます。

読み上げが終わるとすぐ手錠と思いますでしょ？

違います。

まずは「ベスト」を着ます。(笑)

まさに愛知県警はこのベストです。

逮捕直後はこの緑色の番号札はありません。上3桁は留置先の警察署の番号、下2桁が留置場で呼ばれる称呼番号です。なので逮捕直後、この時点は空欄となってました。

たとえばこの写真だと726＝中村警察署で留置場で47番と呼ばれている被疑者とわかります。●727-01●なら中警察署の1番という具合です。

余談ですが、この左胸～脇の赤色のテープ、愛知県警では「共犯」がいる際に着けられる目印です。

地検の地下で被疑者同士が鉢合わせないよう、また鉢合わせる場合はアコーディオンカーテンを展開して見えないようにするための目印です。共犯同士色が一緒なのかは不明でした。

普通に売り物なんですよね。皆さんも一家に1枚いかがですか？

カタガロはこちらっ！！是非ご検討ください。非防弾非防刀です。

https://www.sankyo111.co.jp/product/others/files/others02.pdf

AM９：４０　通常逮捕～ここから48時間が逮捕です～

手錠は黒色、非常に軽く、非常に緩くかけられます。座ったまま腰縄を回されます。

腰縄も非常に締め付けは緩いです。

これには理由があって、手錠はそもそも金属製なので単純に痛い。これは後程わかります。

腰縄は逃げようとすると自動的に締まる結び方です。デコ助も色々考えているんですね。

この手のブログやドラマで「手錠が冷たく重い」云々とあります。

私これでも初逮捕ですが、

「長袖だし、軽いし、ある程度手は動かせるし大したことはない。」と思ったのが最初の印象です。自由の無さは苦痛ですが、手錠が云々はそう大した事はありませんでした。

何せEVや廊下で誰にも会わずに終わったのが幸いだったというのもあります。

次回は車が出発後から取調べ終了くらいまでになりますかね？

文量見て考えたいと思います。

ありがとうございました。